「いびき」の話をする時に思いだすのが、 親父がテレビを見ていて夫婦が寝ていいるシーンで、仰向けの時は「いびき」をかいて、横向きに寝返ると「いびき」をしない シーンで「この役者は、演技力があるな。」と言っていたことです。
さて、「いびき」の音はどこからしているのかと言いますと のどの奥にある口蓋垂(こうがいすい)などが震えて音が出ています。気道(空気の通り道)が狭くなると、中を通る空気の流れが速くなり この辺りの肉が震えて音を出すのです。 また 空気の流れが数分間止まることもあります。これを睡眠時無呼吸症候群と言います。
鼻から呼吸することに何らかの問題がある方や、鼻から呼吸はできるが口蓋垂や舌根などが気道を狭めると、呼吸が苦しくなり 口からの呼吸を行おうと「口」が開いてしまいます。
口が開いて「口」から呼吸を行っているときに また 口蓋垂や舌根などが気道を狭めると「いびき」をかき始めることになります。
この 口蓋垂や舌根などが気道を押しつぶすように狭める状態を仰向けだと重力の影響をまとも受けて「いびき」をかきやすい状態になる。横向きだと まだ気道の狭まりが緩和されて、音が出るまでの空気の流れの速さにならないということなのでしょう。(親父が言っていたことはこのことなんだと思います)
歯科では この舌根の沈下による気管の狭窄、閉鎖を抑えるために、下顎の位置を前方に出す装置を作製して、寝るときに装着してもらって、経過をみます。 これは 舌の沈下を抑える対処療法の意味合いが大きいです。
「いびき」の原因
いびきの原因には いろいろあるのですが 主なものは
○肥満
気道のまわり(首)についた脂肪を減らすことです。
○口呼吸
口のまわりの筋肉の衰えで口が開きやすくなることがありますので、お口の体操をする。
口をふさいで、鼻から呼吸する練習をする。
○疲労
疲れていると筋肉がゆるみやすくなり、筋肉の塊である舌などが沈下しやすくなり気道を狭くする。
○体の構造
鼻が曲がっている。 舌が大きい。 下顎が小さい。
○寝る前の飲酒
アルコールには筋肉をゆるませる働きがあります。
最後に、 睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まってしまう原因は大きく分けて2つあります。
○空気の通り道である気道が舌根の沈下などで狭くなり、呼吸が止まってしまう閉鎖性睡眠時無呼吸症(OSA)
○呼吸中枢の異常による中枢性睡眠時無呼吸症(CSA)
があります。
呼吸器内科に相談されるとよいと思います。