小笹歯科診療所

お電話でのお問い合わせ:075-332-8800

診療時間
9:00~12:00 / 15:00~20:00 ※木曜と土曜の午後は休診
休診日
木曜日午後 第1.3.5 土・日・祝

福西の小笹歯科診療所、小笹院長のブログ

お口の話

お口の話
口腔ケアで!インフルエンザを予防 oh!

2019年1月23日    お口の話, 院長のよもやま話, 高齢者 

お口の中を清潔に保つことがインフルエンザの予防に有効な方法であると言うことを、インフルエンザ・ウイルスの増殖サイクルから考えてみましょう。

ab-shutterstock_280057412

まず、インフルエンザ・ウイルスは体内に入ったときは、感染する力がありません。

ab2-%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%ab%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%b9%e3%80%80%e4%b8%8d%e6%b4%bb%e6%80%a7

赤い棒がありますよね。 この状態だと細胞にくっつけないのです。

呼吸器と腸管にある「プロテアーゼ」によって初めて活性化して感染する(細胞内に入る)ことが出来るのです。

ab3-%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%ab%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%b9%e3%80%80%e6%b4%bb%e6%80%a7

プロテアーゼによって赤い棒が くっつける状態になります。

細胞内に入ったインフルエンザ・ウイルスは増殖を始めます。

blood cell types

次に 数を増やしたインフルエンザ・ウイルスは細胞外に出ようとします。 でも 細胞とシアル酸レセプターによって結合していて、細胞から離れることが出来ません。

今度は「ノイラミニターゼ」によって 細胞とインフルエンザ・ウイルスを繋いでいるシアル酸レセプターを切り離すことが出来ます。

このサイクルを繰り返すことで、切り離されたインフルエンザ・ウイルスは体内で数を増やしていくことになります。

そして、体内ではこのインフルエンザ・ウイルスを免疫活性食細胞が むかえ撃ちます。 戦いが激しいと 人の体が発熱することにないます。

これが、なんで 口腔ケsurprised kid sitting at table. child's eyes widened and mouth oアでインフルエンザの予防になるのか! ですよね。

お口の中が清潔でない 汚れたお口の中に この「プロテアーゼ」と「ノイラミニターゼ」が多く存在することがわかってきたのです。

ちなみに、 インフルエンザの治療薬「タミフル」は このインフルエンザ・ウイルスを細胞外に放出するのに関わるノイラミニターゼを阻止するノイラミニターゼ阻害薬なのです。

つまり、「プロテアーゼ」と「ノイラミニターゼ」の数が少なければ、インフルエンザ・ウイルスに感染しにくい、感染しても発病しにくいということです。

ab-fotolia_85490208_subscription_monthly_m

お口の中を清潔に保ちましょう。  健常な方は、「それじゃー 口の中を消毒しょう」なんで思わないでくださいね。 口の中の細菌は互いがバランス良く常在することで体に良いこともあるのです。 まだまだ 体の仕組みや体内に常在する常在菌の働き、役割が解明されていないことが多くありますからね。

ご自身のお口に合った清掃を心がけてください。(歯科衛生士や歯科医師のお聞きになることも良いと思います)

 誤嚥性肺炎

2003~2004年冬季、65歳以上のデイケアに通う在宅高齢者190人を対象に「適切な口腔ケアがインフルエンザの発症率にどのような影響を及ぼすか」という調査が行われました。その結果「口腔ケア群」においてインフルエンザ発症者は1名、「対照群」では9名が発症したという報告があります。

a-%e5%8f%a3%e8%85%94%e3%82%b1%e3%82%a2%e3%81%a8%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%ab%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%b6%e7%99%ba%e7%97%87%e7%8e%87

〇「口腔ケア群」歯科衛生士が口腔ケアと集団口腔衛生指導を1週間に1回実施したグループ。

〇「対照群」これまで通り本人及び介護者による口腔ケアをしたグループ。

ab-%e5%8f%82%e8%80%83%e6%96%87%e7%8c%ae

お口の話
窒息・誤飲の原因食品の一位は「おかゆ」!

2018年1月7日    お口の話, 摂食嚥下, 窒息, 高齢者 

1月7日は年に5回ある季節の節目の日の一つ「人日」という、

 

この日に七草粥を食べるという風習は江戸時代に幕府が「人日の日」を「人日の節句」として五節句の一つと定めたことにより、民衆に広がり定着したと言われてます。

3月3日(上巳)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)、

 

私が幼い頃は、お粥が嫌い 葉っぱ物が嫌い 学校が始まる 最悪の日の一つでしたよ。

 

 

 

 

風邪を引いたとき、病気になったときの食事として、一番に思いつくのが“お粥”ですよね。

 

また高齢者向けのお粥のレシピもあります。 ところが 東京消防庁の調べによると、65歳以上の窒息・誤飲の原因として1位になった食べ物が意外にも「おかゆ」だったのです。

 

 

 

 

 

 

 

東京消防庁の調べ

柔らかくて、消化の良い「おかゆ」が なぜ 窒息・誤飲(誤嚥、ごえん)の原因1位なのでしょう。

「おかゆ」柔らかくてあまり噛まなくてもよい物性なので、消化にもよい(胃にやさしい)ものですが、ただし「おかゆ」は“べたつく”  という点では危険な食べ物になります。

柔らかく炊きすぎて水ぽい「おかゆ」にも注意しないといけません。水分の部分だけが嚥下反射が起こらないうちにスーッと気管に流れ込み、誤嚥してしまうことがあります。

「おかゆ」のかたさや水分量など、本人の飲み込む(嚥下)機能にあった状態のものに調整する必要があります。

本人の飲み込む(嚥下)機能を診るには、いろいろな検査が有りますが、簡単な検査方法を二つ紹介します。

◯反復唾液嚥下テスト(RSST)
方法:
唾液嚥下を30秒間繰り返してもらう。
「できるだけ何回も飲み込んでください」と指示。
のど仏のあたりに指をあてて嚥下の有無を確認する。
評価:
30秒間に2回以下の場合、嚥下開始困難、誤嚥が疑われる
3回以上の場合は、ほぼ問題なし
※日本歯科医師会のホームページではRSSTについて動画でわかりやすく紹介されています。
掲載箇所は、8020日歯TVの「高齢期 摂食・嚥下(後編)」です。

◯EAT-10

問題がある場合や心配な方は専門家に相談されることをお勧めします。

追伸、  「おもち」の窒息事故がおおい時期。

(東京消防庁の調べ)

 

 

お口の話
   0歳から「噛む」で健康長寿

2017年6月19日    お口の話, 院長のよもやま話 

インスタントラーメンで冷麺を作りました。

 普通は3分間 麺をゆでるのですが、 冷麺にする時は4分くらい長めにゆでて 氷水で麺をしめます。

 

 

 

 

 

 

 

 麺に腰が出来るというか、韓国冷麺の様な 麺の食感になりました。

(これは あくまでも 私の感覚ですが)

味はといいますと 結構 いけましたよ。

 

 

 

 

 

 

麺に弾力が出るので、温かい麺より しっかり噛まないといけな感覚になりました。

職業柄、 「しっかり噛まないといけない」 この感覚で ふと思ったことが

最近のお子さんの口元が「ぽかん」と 開いていることです。

普通は

                                                                                                  (上記 2画像 増田純一 著書「健康歯科」より)

この様な 口元になるのですが、

この「ぽかん口」の原因は、

人が、基本的な食べ方を覚えるには、生後3歳くらいまでの短い間に、どのくらいの量を口に入れ、どのように舌を動かすか、 どの様に噛んで 飲み込むかを覚えて、その人の生涯の食べ方をこの期間で決定づけられると考えられてます。 もしも不適切な噛み方、飲み込み方を身につけてしまった場合。

健常なら3~4歳になれば口唇(口元)の力も強くなり、いつも口を閉じて鼻で呼吸するようになります。しかし、6歳ごろまでに噛み方が悪く、口唇、舌、上の歯と下の歯のかみ合わせの調和がとれていないと「お口ポカン」だったり、口を閉じないでペチャペチャ音が出るような食べ方になります。

この様な口腔機能不全は生涯続くことになるかもしれません。早期に口腔機能不全に気付き、早期に正しい口腔機能を獲得することです。

最近、株式会社 松風 から 口唇の筋力を測る測定器が開発させました。

 

また 口唇を鍛える方法として

また 別のトレーニングとして「あいうべ体操」とかがあります。

専門家にご相談の上 ご使用ください。

 

 

お口の話
「歯磨き」の習慣は いつ頃から

2017年2月28日    お口の話, 院長のよもやま話 

「歯磨き」の習慣は日本ではいつ頃からなんでしょうね。

福井県にある曹洞宗の本山で厳しい禅の修行で知られている「永平寺」の開祖道元禅師(1200~1254)が記した本に「正法眼蔵」という本があります。

この「正法眼蔵」50巻というところに 洗面 について書いてあります。

「天竺、中国では、国王・王子、大臣・百官、在家・出家、朝野の男女、百姓万民、みな洗面する。(中略)洗面を忘れる物はない。だが しかし、楊枝をつかうことがない。それに反して、日本では、国王・大臣、老少・朝野、在家・出家の貴賤を問うことなく、すべて楊枝をつかい、口を漱ぐことを忘れない。だた しかし、洗面しない。これでは、まさに一得一失である。」

 

 

 

道元禅師は鎌倉時代の方なので、歯磨きの習慣は仏教ともに日本に入ってきたと言われていますので鎌倉時代には日本では多くの人が歯磨き習慣を得ていたということが、この記述から推察できます。(仏教伝来は550年頃といわれてますね)。 一方 道元が南宋に渡って 勉学に励んだ頃は 南宋では仏教が衰退している頃だったので歯磨き習慣も忘れ去られていたのかも知れませんね。

「だから、かの国では、僧も一般人も、みんな口の息がたいへん臭い。二三尺へだててものをいうときも、口臭がきこえて、嗅ぐものは堪えがたかった」とぼやいておられます。

この「洗面」巻では、 歯磨きの方法が 詳しく書かれています。

例えば、舌の清掃について

「舌をけずるに五つの事がある。一つは。三返をこえてはいけないということ。二つには、舌の上に血が出たらすぐに止めるがよいということ。三つには、大きく手を振って、上衣や足などを汚してはいけないということ。四つには、楊枝を棄てるに、人の通るところに棄ててはならぬということ。五つには、それはいつでも物かげに棄てるがよいということである」 書かれてます。

興味のある方は一度 本をお読みになるとよいかと思います。(いろいろな現代語の訳本が出版されてます)

鎌倉時代には、日本では 歯磨きの習慣が定着していたようですね。 顔を洗う習慣はなかったのでしょうかね。

 

 

 

お口の話
口腔ケアで手術の入院日数が短縮される

2017年1月16日    お口の話 

みなさん、「周術期管理」と言う言葉をお聞きになったことはおありでしょうか、 あまり 耳にしない方が多いと思います。

「周術期」は入院、手術、回復と言った、患者さんの術中だけでなく前後の期間を含めた一連の期間をさします。

この期間に「専門的な口腔機能管理」を行うと術後の回復早く また 合併症が発生しにくい事が統計上 分かってきました。よって入院日数が短くなるという事です。 今のところ なぜ専門的な口腔機能管理がこの様な結果をよぶのか作用機序は分かっていませんが、結果は専門的な口腔機能管理が良い結果をもたらすと言うことで 医療関係者の中で注目されています。

ここで、「大阪警察病院における周術期口腔ケアの効果に関する検討」の資料を掲載します。

 

 

「口腔ケア未実施群」は「口腔清拭等の従来から広く行われているいわゆる口腔ケア」のみを実施した群をいい、「口腔ケア実施群」は歯科専門職による計画的に実施された専門的な口腔機能管理を行った群をいう。

 

皆様も、これから病院などで手術を受けられるときに 病院の先生から「歯科で口腔の清掃など口腔機能管理をしてもらってください」と言われることがあると思います。 その時は 最寄りの歯科医院で相談されてと良いと思います。

 

 

お口の話
 逆流性誤嚥性肺炎(逆流しないのに?)

2016年10月31日    お口の話, 往診, 院長のよもやま話, 高齢者 

逆流性誤嚥性肺炎 (逆立ちしても、食べ物は逆流しないのに?)

Women who have an inverted 

  胃と食道の境に「噴門」という門があって 括約筋という筋で普段はしまっているからです。

 でも 「噴門」、堅固な門ではないので 水の様な液体は漏れたりするのです。

ゲップをした時など胸が少し気持ち悪いのは、酸性の胃液が漏れ出して食道の粘膜を侵しているからです。 高齢になるとこの「噴門」が さらに弱々しくなってきます。

ab-%e8%83%83-%e5%99%b4%e9%96%80

 

 先日、今まで通医院されていた83歳の患者さんの奥様から電話があり、体調を崩したとのことで、往診の依頼がありました。ご自宅へ伺って お話を聞くと「朝 立てなくなり 慌てて救急車で病院に行かれたら 誤嚥性肺炎 ということで入院されたようで症状が良くなったので退院されたところだったようです。

 そこで、ご本人と奥様に 

○お口の中を清潔にして 汚れたものが肺に入らないように注意すること。

○就寝前に食事をしないこと、 寝る姿勢などを注意するように。

○喉の筋肉の体操。

を説明させていただいて 注意するようにお願いしました。

喉の筋肉の体操(動画)

 

ab%e8%82%ba%e7%82%8e-shutterstock_111313568

食品による窒息

 

最後に

 YouTube 「(ためしてガッテン)・(誤嚥性肺炎)」とキーワードを二つ入れて検索すると≪謎の肺炎が急増中!死なない新常識≫というのが出てきますから、見られると参考になると思います。

 

お電話でのお問い合わせ:075-332-8800

診療時間
9:00~12:00 / 15:00~20:00 ※木曜と土曜の午後は休診
休診日
木曜日午後 第1.3.5 土・日・祝

小笹歯科診療所

京都府京都市西京区大枝北福西町3-2-8

市バス「南福西町」から徒歩5分

診療時間:9:00~12:00 / 15:00~20:00  ※木曜と土曜の午後は休診 休診日:木曜日午後 第1.3.5 土・日・祝